ジョンの初期のトレードマークともいえるギター「リッケンバッカー325」

 
ビートルズ初期のジョンのトレードマークともいえるギターが、「リッケンバッカー(Rickenbacker)」というメーカーのギター「325」というモデルです。

現在ではビートルズのメンバーをはじめ、多くの有名なミュージャン達に使用されていることから「フェンダー」や「ギブソン」と並ぶ知名度を誇る「リッケンバッカー」という楽器メーカーですが、ジョンがこのギターを選んだ当時はまだ「フェンダー」や「ギブソン」などと比べるとマイナーなメーカーでした。

なぜジョンがこのギターを選んだのかについては諸説あり、当時ジョンがあこがれていたミュージシャンが使っていたとも、また、たまたま当時の巡業先のハンブルグ(ドイツ)の楽器店にあったから・・・などともいわれています。

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リッケンバッカー325(Rickenbacker 325)

リッケンバッカー325(Rickenbacker 325)は、1958年に発表されたエレクトリック・ギター(その後、マイナー・チェンジ数回有で仕様が若干異なる)で、ジョンが主に使用していたタイプはセミホローボディに、シングルコイルピックアップ×3、2ボリューム・2トーン・1バランスコントロール、ビブラートユニットを搭載したショートスケール・タイプ(ネックの長さ)、フィンガー・ボードはローズウッドのギターでした。なお、ボディやネックの材質は58年製は「アルダー」、64年製は「メイプル」です。

ジョンはこのギターを、少なくとも3~4本所持していたと考えられています。

1本目は、おそらくデビュー前から使っていたナチュラル・ボディのもので、後のものよりボディが少し厚め。ペグ(弦を巻く部分)の見た目も少々安っぽい(後のクルーソン社製ペグとは異なる)。※途中でナチュラル⇒黒にボディカラーを塗り替えて使用か?!

2本目は、黒の325。ペグにはクールソン社製ペグがセットされトレモロユニットはピグスビー製(フェンダー・ギブソンも採用)ボディは1本目よりやや薄く、ピックガードの色ははゴールド。

3本目は、2本目と似ているが、プリセットボリュームが増設されていて、コントロールノブがメタル。そしてトレモロユニットがリッケンバッカーのオリジナルになっている。ボディは黒でピックガードは白。

4本目は、ローズモーリスからプレゼントされたファイアーグローの325で、このモデルはFホールが開けられています。

※以前の姉妹ブログから、chii様からのコメントより4本目を加筆。

リッケンバッカー325のサウンドの特徴

リッケンバッカー325のサウンドのサウンドの特徴は、シングルコイルピックアップなので、基本的にはフェンダー社のいわゆる「ストラト」や「テレキャス」のように一応、トレブルの効いた音が特徴です。

ただ325は、リッケンバッカー・ギターの特徴?というか、「ストラト」や「テレキャス」のようなブライトな高音ではなくどこか「野暮ったい」いいかたは悪いですが「垢抜けない」感じのする音がします。(これはあくまでも個人的なイメージです。)

また、セミホローボディというボディ形状から、フェンダーというようり「グレッチ社」のギターに近いイメージの音といえるかもしれません。

「ショートスケール」がひとつのポイントだった?!

初期のビートルズの演奏シーンを画像や映像などで見ると、なんだかジョンのギターがひと際小さく見えませんか?!

これはなんとなくそう見えるのではなく「ショートスケール」なので実際に短い(小さい)のです。ジョンが使用したこのリッケンバッカー325の特徴としてもうひとつあげられるのは、ネックが通常のギターより短い「ショートスケール(約53cm)」だったということでしょう。

ショートスケールのギターは、ネックの長さ(短さ)に比例してフレット幅も狭くなるので、一般的に、手が小さい人でもローポジションは弾きやすくなるのですが、その反面、ハイポジションは狭すぎてとても弾きづらくなってしまいます。つまりギターソロには不向きなギターということになります。

ですが、ビートルズの場合、ジョージがいるので、別にギターソロをジョンが弾かなくても問題なかったと思いますし、ジョンのギタープレイの最大の特徴はあの「コードカッティングとロックンロールのリフ」。これを活かすにはショートスケールの「リッケンバッカー325」はある意味、最適なギターだったのではないかと思ってしまいます。

また、ビートルズでは主にジョンとポール(ジョージもリンゴも歌いますが)メインで歌うことが多く、やはり比重的には「ギター<ボーカル」だったのではないかと推測できます。

あくまでもシンガーとしいう立場からのジョンのギター

ジョンがこのショートスケールの「リッケンバッカー325」をなぜ初期のメインギターに選んだのかは定かではありませんが、ジョンは「歌がメインという立場」を優先していたからではないかと私は個人的に思っています。

ですから、「歌うこと」がメインのジョンにとって重要なのは、サイド・ギター(2ndギター)としての「コードカッティングとロックンロールのリフ」。ですが、だからといって手を抜いていたわけではありません。

ジョンの抜群のリズム感が垣間見られるポールがメインボーカルの初期の名曲「オールマイラヴィング」の1拍3連の歯切れのいいジョンのリズムギターは有名ですが、「コードカッティングだけだから簡単に弾けそう」と思っていると、痛い目にあいます。

また、ギターを弾いたことのある人ならわかってもらえると思いますが、ロックンロールの定石ともいえる3コードの「あのリフ」は開放弦を使える3コードなら誰でも問題なく弾けますが開放弦を使えない3コード、セーハ(バレー)コードで、特にローポジションで弾く場合は小指が届かない、届いたと思ったら今度は力が入らなくて音がビビります。

比較的手が小さい日本人は「セーハ(バレー)コード」が抑えられずにギターを挫折する人が多いですよね。この点に関しては、ジョンの場合はイギリス人なので、特に問題はなかったかもしれませんが・・・。

参考までに、ポールのトレードマークといえるベース、通称「ヴァイオリンベース(ヘフナー 500-1)」も「ショートスケール」で「セミホローボディ」です。

「歌うこと」がメインのジョンやポールにとって、歌いながらでも弾きやすい「ショートスケール」とソリッドボディに比べて軽い「ホローボディ」は、特にライブ演奏が活動の中心だった初期のビートルズにとって、もしかすると「楽器選びの必須条件」であったかもしれません。

リッケンバッカー325は不人気?!

ジョンが使用したことで一躍メジャーになった「リッケンバッカー325」ですが、不思議なことに、ジョン以外に使用しているミュージシャンは少ないです。C・C・R(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)初期のジョン・フォガティ(325ではなく330の可能性もあり)と、日本の奥田民生さんぐらいでしょうか。アマチュアではビートルズのコピーバンドを含め、使っている人もいるにはいますが・・・。

リッケンバッカー325は、ギターソロには基本的に不向きで、ギター・ソロを弾くいわゆるリード・ギタリストにとっては使い勝手が悪いギターといえます。ですが、一番の理由は「リッケンバッカー325=ジョン・レノン」のイメージが強すぎるからではないかと思っています。

 

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