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ジョージが使用した12弦ギター「リッケンバッカー・330-12」

リッケンバッカー・330-12
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初期のジョージが愛用してE・ギターとえいば「グレッチ カントリー・ジェントルマン」が第一に挙げられると思いますが、もう一本初期のジョージ・・・というより初期のビートルズ・サウンドを支えたギターとして忘れてはならないのは「リッケンバッカー・330-12」という12弦のE・ギターです。

ビートルズの活躍した60年代には「12弦E・ギター・ブーム」が巻き起こりました。12弦のE・ギターにはいくつかの種類がありますが、12弦E・ギターといえばやはり「リッケンバッカー」。ジョージが使用したことにより「カントリー・ジェントルマン」同様、知名度が一気に上がったギターのひとつといえるでしょう。

リッケンバッカー・330-12(Rickenbacker 330-12)

リッケンバッカー・330-12は、現在ではリッケンバッカー・ギターの定番ともいえる「330(6弦)」と同じスタイルをもつE・12弦ギター。簡単にいうと「330」の12弦バージョンということになります。

リッケンバッカーのE・12弦ギターは、こちらもリッケンバッカー・ギターの定番ともいえる「「360(6弦)」にも用意されていて、ジョージはこれらのリッケンバッカー・12弦E・ギター「330」「360」の両方とも使用しています。

リッケンバッカー・330-12の特徴

ジョージが使用したリッケンバッカー・330-12は、セミ・ホロー・タイプでサウンド・ホールのあるメイプル・ボディのギターで、ネックはメイプル・セット・ボディ、21F(現行は24F)のローズウッド指板にはリッケンバッカーの特徴でもある塗装が施されています。コントロール系は2ボリューム、2トーン、ピックアップ・セレクターSW、そしてボリュームやトーンのつまみよりすこし小さめの「フィフスコントロール」というものがついています。

フィフスコントロールとは、いわゆる「ブースター」的な働きをするつまみで、フロント・ピックアップにのみ効果が適用されます。ボディやネック、そしてコントロール系は6弦の「330」と基本的に変わりはありません。

リッケンバッカー独特の12弦ギター

リッケンバッカー・330-12にはリッケンバッカー独特の工夫がなされています。12弦ギターは通常のギター(6弦)の倍の弦を張ることになるので、ヘッド部分に搭載するペグも倍(12個)必要になり、通常はヘッドを大きくしなければならないのですが、リッケンバッカー・330-12は6弦ギターとヘッドの大きさは変わりません。ですから、遠目から見れば、ぱっと見6弦ギターと区別がつかないと思います(音を聞けば一発でわかりますが!)。

これは6弦モデルで使用されるヘッドに溝を掘る(穴を開ける)ことにより、通常の6個のペグにクラシックギターで使われている「スロットヘッド」をプラスしたような構造になっているからです。

また、ネックの太さも6弦ギターと同じにするため、12弦の張力に耐えられるように2本の「トラスロッド」を装備しています。

弦の張り方も独特

リッケンバッカー・330-12・・・というかリッケンバッカーの12弦ギターは弦の張り方も独特です。それは、一般的な12弦ギターとは「主弦」と「副弦」の配置が逆になっているというところ。主弦と副弦の配置が逆になるために通常の12弦ギターとはひと味違う独特な響きを得られます。

ピックアップは「トースター・トップ・ピックアップ(×2)」

ジョージが使用したリッケンバッカー・330-12のピックアップは、現行モデルに搭載されている「Hi-Gain(ハイゲイン)PU」ではなくトースター・トップ・ピックアップを2基搭載しています。Hi-Gain(ハイゲイン)PU同様に音はクリーンで艶やかで、また、締りのあるトーンが特徴ですが、個人的にはトースター・トップ・ピックアップの方はやや線が細く(シャープ)で、少し音の伸び(サスティーン)が控えめな感じがします。

また、前述の「主弦」と「副弦」の配置が逆ということも相まって、リッケンバッカー・330-12は、まさに「リッケンバッカー12弦」独特のサウンドを聴くことができます。

「330-12」と「360-12」の違い

ジョージは、リッケンバッカー「330-12」と、もう一本「360-12」というリッケンバッカー12弦ギターを使用しています。

「330-12」と「360-12」は基本的に同じスペックのギターなのですが、違いといえばそのルックスです。「330-12」はボディのエッジが鋭いのに対して「360-12」の方は丸みを帯びたボディ形状になっています。ただ、人によってはボディ形状の違いによる音の違いがあるという意見もありますが、一般の人にはその違いはわからないのではないかと思います。

ジョージが使用した「330-12」は現行モデルの「330-12」とは若干違いがあり、「330」の指板インレイ(模様)は通常は「ドット・インレイ」なのですが、ジョージが使用した「330-12」は「360-12」のような「三角形のインレイ」になっています。

ジョージは66年の中頃までは「330-12」を使用していましたが、日本公演の頃には「360-12」に持ち替えていました。

リッケンバッカー・330-12のサウンドを聴くには・・・

ジョージのリッケンバッカー・330-12のサウンドを聴くには、ビートルズ最初の本格的な映画のサウンドトラック・アルバムともいえる「ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!(A HARD DAY’S NIGHT)」がおすすめです。ジョージはこのアルバムの約半数の曲でリッケンバッカー・330-12をプレイしています。

アルバムのテーマ曲であり代表曲の「ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!(A HARD DAY’S NIGHT)」のイントロのG(sus4)というコードはあまりにも有名ですよね。また、同アルバムに収録されている「ユー・キャント・ドゥ・ザット」のイントロ&リフ部分でもジョージのリッケンバッカー・330-12のサウンドを聴くことができます。

これは補足ですが「ユー・キャント・ドゥ・ザット」ではジョージがリフ・パートを弾いているので、あのちょっと荒々しいギター・ソロはジョンが弾いていることになります。「ユー・キャント・ドゥ・ザット」ではジョージのリッケンバッカー・330-12とジョンのリッケンバッカー325のサウンドが両方わかりやすく楽しめます。

ジョージのリッケンバッカー・330-12&360-12のサウンドを聴くには、他にもいくつかありますが、有名なところでは、アルバム「ラバー・ソウル」の中の日本公演でも演奏されたジョージが歌う1曲「恋をするなら(If I Needed Someone)」などがおすすめです。

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