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ジョージ&ポールは初期使用のギター(ベース)をホロー・ボディーからソリッド・ボディーへ持ち替えていく

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ジョージとポールはアルバム「リボルバー(ラバーソウル?)」ぐらいまでのギター・プレイは、基本的にカントリー・ジェントルマンやカジノなどのようなホロー・ボディー(セミホロー・ボディー)のギターを使っていたのですが、「サージェント・ペパーズ・・・」あたりからのギター・プレイ、特にギター・ソロ部分のジョージとポールのプレイは、レス・ポール、テレキャスター、SGなどのソリッド・ボディーのギターをメインに使用するようになります。

アルバムの曲でギター・サウンドを聴き比べてみると・・・

ビートルズの使用楽器の変更は、映像や写真などで確認出来ますが、アルバムを聴き比べることによってもわかります。この際、ギターの知識などは特に必要ありませんのでご安心を。わかりやすいのは各曲の「ギター・ソロ」の部分。

例をあげると「ビートルズ!(MEET THE BEATLES)」の中の「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」のジョージのギター・ソロの音と「サージェント・ペパーズ・・・」の「グッド・モーニング・グッド・モーニング」あたりのギターの音を聴き比べるとわかりやすいと思います。

前者は、純粋なアンプのみの心地よいクリアな音、リバーブ(エコー)・サウンドなのに対し、後者は歪みが入ったオーバー・ドライブ(ディストーション)サウンドになっています。

また、前者はホロー(セミ・ホロー)ボディーならではの丸い、柔らかめなサウンドのギター・ソロなのに対して、後者はソリッド・ボディーの特色である硬めのサウンドです。

アルバム「ラバー・ソウル」「リボルバー」あたりはちょうど「過渡期」で判断が難しいところですが、日本公演などでもエピフォン・カジノやリッケンバッカーの12弦ギターを使用していたので、まだホロー・ボディーのギター使用の可能性もおそらく高いと考えられます。

「ひとりぼっちのあいつ」のギター・ソロ部分などはソリッドぽくもありますが、ホロー・ボディー使用でかなりトレブリーなサウンドにイコライジングされていると考えたほうがいいでしょう。ですが、あの「音」からしてすでにスタジオ(レコーディング)ではストラトキャスターを使用していたかもしれません。

なぜホロー・ボディーからソリッド・ボディーに変えたのか?

それでは、なぜジョージとポールは「ホロー」から「ソリッド」にギターを持ち替えたのでしょうか。ジョージがカントリー・ジェントルマンを使用している時期には最大のライバルともいわれている「ザ・ローリング・ストーンズ」(実際にはビートルズとストーンズは仲が良かった。)は、初期にホロー(セミホロー)ギターも使ってはいましたがたとえば「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」の演奏シーンでキース・リチャーズやブライアン・ジョーンズは、それぞれギブソンの「レス・ポール」、VOXの「MARK Ⅳ」のソリッド・ボディのギターをプレイしていたので、必ずしも当時の音楽シーンでホロー・ボディーギターがメインだったというわけではないと思います。

※ブライアン・ジョーンズのVOXの「MARK Ⅳ」は厳密には「MARK Ⅲ」というプロトタイプ。Ⅳは3PU、Ⅲは2PU。

特にホロー・ボディーギターが今でいう「トレンド」ではないにも関わらず、デビュー以来使用してきたモノを捨て、ソリッド・ギターに持ち替えた理由は一体何なのでしょうか?

機材の進歩や契約の問題?

その点に関してはビートルズのメンバーや関係者以外知る由もないですが、可能性のひとつとして考えられるのはサウンド機材の進歩が挙げられるのではないかと思われます。たとえば、いわゆる「歪み系」のエフェクター(ファズなど)をホロー・ボディーのE・ギターで使用するとハウリング(共鳴)が起こりやすくなります。その点、ソリッド・ボディーの方が扱いやすいのは間違いありません。

また、基本的にライブ活動を止めてレコーディング作業が中心になった中~後期では、「ルックス面」などを考慮する必要もなくなり、サウンド重視という方向に進み、扱いにやや難のあるホロー・ボディーからソリッド・ボディーへと使用楽器が代わっていったのかもしれません。一説にはビートルズがライブで主に使用していたアンプ「VOX」とのスポンサー(ライセンス?)契約のようなものがあり、たとえばフェンダーのアンプを使用したくても出来なかったという側面もあったようです。

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