1963年に発表された『PLEASE PLEASE ME』(プリーズ・プリーズ・ミー)は、ビートルズの記念すべきデビュー・アルバムです。
オリジナル曲とカバー曲が勢いよく並ぶこのアルバムには、まだ荒削りでありながらも、すでにビートルズならではの魅力が感じることができます。
短い録音期間のなかで生まれた14曲は、のちの世界的成功を予感させるに十分な輝きを放っています。
- 『PLEASE PLEASE ME』収録曲・ライナーノーツ
- 基本情報
- 1. I Saw Her Standing There (アイ・ソー・ハー・スタンンディング・ゼア)
- 2. Misery(ミズリー)
- 3. Anna(Go To Him)(アンナ)
- 4. Chains(チェインズ)
- 5. Boys(ボーイズ)
- 6. Ask Me Why(アスク・ミー・ホワイ)
- 7. Please Please Me(プリーズ・プリーズ・ミー)
- 8. Love Me Do(ラヴ・ミー・ドゥ)
- 9. P.S. I Love You(P・S・アイ・ラヴ・ユー)
- 10. Baby It’s You(ベイビー・イッツ・ユー)
- 11. Do You Want To Know A Secret (ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット)
- 12. A Tast Of Honey(蜜の味)
- 13. There’s Place(ゼアズ・ア・プレイス)
- 14. Twist & Shout(ツイスト・アンド・シャウト)
- アルバム『PLEASE PLEASE ME』(プリーズ・プリーズ・ミー)収録曲・ライナーノーツ~まとめ~
- 基本情報
『PLEASE PLEASE ME』収録曲・ライナーノーツ
基本情報
| アルバム名 | PLEASE PLEASE ME |
|---|---|
| アーティスト | THE BEATLES |
| 発売日 | 1963年3月22日 |
| 収録曲数 | 14曲 |
| 位置づけ | デビュー・アルバム |
| アルバムの特徴 | 勢いのある演奏と、バンド初期の空気感が詰まった1枚 |
1. I Saw Her Standing There (アイ・ソー・ハー・スタンンディング・ゼア)
ポールの曲で、メイン・ヴォーカルはポール。ジョンと共にポールの自宅で書き上げた曲。バッキング・ヴォーカルはジョン。ジョンはこの曲の歌詞の1行を手掛けている。
今まさにライブが始まる感のオープニング・カウントもポール。
曲の基礎となる部分を作曲した人が主にリード・ヴォーカルを取るという形式は、これ以降も踏襲されることになる。
なお、ポールはこの曲のベース・ラインについて、チャック・ベリーの「アイム・トーキン・アバウト・ユー」と同じだとネタばらししている。
2. Misery(ミズリー)
このアルバムのレコーディングを挟み、ビートルズは初の英国ツアーを行っていた。ツアーのメインは当時16歳で1961年度、62年度とイギリスの最優秀女性シンガーに選ばれたヘレン・シャピロ。
ジョンとポールは彼女のためにこの曲を書いたが、「歌詞が暗い」とシャピロに断られたので、ビートルズ自身で演奏することになったという珍しい経歴を持つ曲。
3. Anna(Go To Him)(アンナ)
ソウル・ミュージックのパイオニアである。アーサー・アレキサンダーが、1962年にリリースした曲のカヴァー曲。メイン・ヴォーカルはジョン。ポールとジョージがコーラス。
後に、ライバルとされるバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」もアレキサンダーの「ユー・ベター・ムーヴ・オン」をカヴァーしている。
この頃、ストーンズはカヴァー曲の『完コピ』を目指したが、ビートルズはあくまでも独自のアレンジでカヴァーしており、この違いがふたつのバンドの特徴ともなっていて非常に興味深い。
4. Chains(チェインズ)
ジョージがリード・ヴォーカルをとる女性コーラス・グループのクッキーズが1962年にリリースした曲のカヴァー曲。
初期のビートルズの魅力として激しいロックン・ロール・ナンバーと、クッキーズのような女性コーラス・グループから影響を受けた繊細なコーラス・ワークが挙げられる。
この曲の作曲は、後にソロ・アーティストとしても偉大なキャリアを築くキャロル・キングとその夫のジェリー・ゴフィンによるもので、ジョンとポールもこの二人にソング・ライターとして影響を受けた。
5. Boys(ボーイズ)
ドラマーのリンゴがリード・ヴォーカルをとる女性コーラス・グループ、シュレルズが1960年にリリースし全米NO.1になった曲のカヴァー曲。
この曲はリンゴがビートルズに加入する以前は、前ドラマーであったピート・ベストが歌っていた。
6. Ask Me Why(アスク・ミー・ホワイ)
1963年1月11日にリリースされたビートルズのセカンド・シングル「プリーズ・プリーズ・ミー」のB面曲として発表された。
ジョンが敬愛するスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの曲をイメージして作られたという。
この曲は1962年6月6日に行われた初のレコーディング・テストの際にも演奏されている。
7. Please Please Me(プリーズ・プリーズ・ミー)
全英チャートで2週にわたりNO.1になったビートルズのセカンド・シングル曲。
ジョンの作品で、はじめはロイ・オービソン風のスロー・バラードだったが、プロデューサーのジョージ・マーティンが曲のテンポ・アップを要求した読みが的中、見事にビートルズ初のヒット曲となった。
初期ビートルズのサウンドの特長であるハーモニカもジョンによるもの。
8. Love Me Do(ラヴ・ミー・ドゥ)
1962年10月5日に、ファースト・シングル曲としてリリースされたビートルズのデビュー曲。主にポールが手掛けた作品。
ほぼ全編に渡りポールとジョンのツイン・ヴォーカルで歌われているが、最後の「ラヴ・ミー・ドゥ」と歌うところは初め、ジョンのソロ・パートであった。
しかし、ジョンがハーモニカを吹くことになり、急遽ポールのソロ・パートに変更された。後日ポールは、「緊張で声が震えている」と語ったそうだ。
9. P.S. I Love You(P・S・アイ・ラヴ・ユー)
デビュー・シングル曲「ラヴ・ミー・ドゥ」のB面曲としてリリースされたが、当初はこの曲がA面候補だった。ポールの作品でリード・ヴォーカルもポール。コーラスはジョンとジョージ。全英チャートでは17位だったが、1964年に全米チャートでNO.1に輝いた。
なお、ドラムはリンゴではなくスタジオ・ミュージシャンのアンディ・ホワイト。リンゴはバンドをサポートしたいとこの曲でマラカスを担当している。
10. Baby It’s You(ベイビー・イッツ・ユー)
「ボーイズ」と同じシュレルズが1961年にリリースした曲のカヴァー曲。リード・ヴォーカルはジョン。
米国のポップス界を代表するソング・ライター、バート・バカラック、ハル・デイヴィッド、バニー・ウィリアムスの共作。
シュレルズのヴァージョンでは曲中間部のソロ・パートはオルガンだったが、ビートルズ・ヴァージョンではジョージがリード・ギターで演奏している。
11. Do You Want To Know A Secret (ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット)
ジョンがディズニー映画「白雪姫」で使われていた曲「私の願い(I’m Wishing)」の歌詞に影響を受けて作った曲。
自分で歌うのが恥ずかしいと当初ビリー・J・クレイマー・ウィズ・ザ・ダコタスに提供され、ビートルズよりも先にレコーディングされた。
ビートルズではジョージがリード・ヴォーカルを担当することになった。
12. A Tast Of Honey(蜜の味)
1960年の同名ブロードウェイ・ミュージカルのために作られた作品のカヴァー曲。同ミュージカルは翌年の1961年に英国で映画化された。
リード・ヴォーカルはポールで、ポールの父親がジャズ・ミュージシャンでもあったことから、この作品のような曲を子供の頃からよく聴いていたという。
この曲をビートルズはデビュー前からレパートリーとしており、ハンブルグ巡業などでも演奏している。
13. There’s Place(ゼアズ・ア・プレイス)
この曲ではジョンとポールふたりともが主旋律を分け合うようなスタイルだが、このスタイルはエヴァリー・ブラザーズからの影響を受けている。
歌詞的にはラヴ・ソングだが「落ち込んだ時に行く場所がある」とジョンの内省的な性格の一部分が映し出されている。
14. Twist & Shout(ツイスト・アンド・シャウト)
ビートルズのライヴのオープニング・ナンバーとして長い間定番となっていたこの曲は、1961年、フィル・スペクターのプロデュースでトップ・ノーツがリリースした作品のカヴァー曲。この曲は1962年にアイズレー・ブラザーズもカヴァーしている。
この曲は1日で行われたアルバム・レコーディング・セッションの最後に演奏された曲で、当日風邪をひいていたジョンは2テイクだけ歌った。
ジョンは風邪による喉の調子の悪さと1日のレコーディング・セッションの最後の演奏という疲労のピークが重なる中、他の誰もまねのできない渾身のヴォーカルを披露している。
アルバム『PLEASE PLEASE ME』(プリーズ・プリーズ・ミー)収録曲・ライナーノーツ~まとめ~
ビートルズの記念すべきデビュー・アルバム『PLEASE PLEASE ME』。
ライヴ感が溢れるビートルズ初期ならではのバンドの勢いがそのまま詰まった、原点を感じられる1枚です。
ここから、THE BEATLESの物語は本格的に動き出していきます。


コメント