エルヴィス・プレスリー(1935-1977)からの影響もチャック・ベリー同様にそのサウンドルーツからはずすことはできないでしょう。
このプレスリーを筆頭とする白人のロックンロールは一般的に「ロカビリー」と呼ばれていました。
白人のR&R「ロカビリー」の影響
プレスリーを筆頭とするを筆頭白人のR&Rロカビリー。ビートルズが影響を受けたと思われるアーティストは、プレスリーをはじめバディ・ホリー、ロイ・オービンソン、ジェリー・リー・ルイス、カール・パーキンス、エディ・コクランなどがあげられます。
それぞれのアーティストが独特のR&R・サウンドを作り上げ、チャック・ベリーをはじめとする黒人勢と並び、ビートルズに、また60年代のポップ・ロックの世界に大きな影響を与えました。
50年代のレコード会社「サン・レコード」
初期のプレスリーやカール・パーキンンスが在籍していたメンフィスの「サン・レコード」。マイナーな会社ながら素晴しい作品を多数生み出し、50年代の革新的なレコード会社として現代に語り継がれています。
初期のビートルズのアルバムを聴くと、サン・レコードのアーティスト達の影響を感じることができます。初期のビートルズの作品には、ロカビリー勢の最盛期、当時のすさまじい勢いがしっかりと受け継がれています。
アルバム「ビートルズ!」から「ビートルズNO.5」を聴くとよくわかるのではないかと思います。
ビートルズのアルバムのロカビリー勢のカバー曲
ビートルズがアルバムでカバー曲をいくつかあげると、
・「ワーズ・オブ・ラブ」(バディ・ホリー)
・「みんないい娘」「ハニー・ドント」
「マッチ・ボックス」(カール・パーキンス)
また、海賊版などで聴くことができるデビュー前の
・「クライング・ウェイティング・ホッピング」(バディ・ホリー)
・「グラッド・オール・オーバー」「シュアー・トゥ・フォール」
(カール・パーキンス)
などがあります。
また、ジョン・レノンは、ビートルズ解散後のソロ・アルバムでもこれらアーチストの作品をカバーしてアルバムに残しています。
意図的に?カバーしなかったプレスリー
ロカビリーの作品を自らのアルバムにもカバーし、収録したビートルズですが、当時すでにビッグ・スターであったプレスリーの作品はどうやら「意図的に」レコーディングしなかったようです。
ビートルズがプレスリーから大きな影響を受けているのは間違いないと考えられますからもっぱら「戦略面」から作品を残さなかったのではないでしょうか。ただ、ビートルズの「Live At The BBC」では、エルヴィス・プレスリーの
・「アイム・ゴナ・シット・ライト・ダウン・アンド・クライ」
・「アイ・フォゴット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォゴット」
などを聴くことができます。
ロカビリーの影響はスタイルまでにも及んでいた
ビートルズのスタイルといえばマッシュルーム・カットと襟なしスーツというイメージの人が多いと思いますが、それはあくまでもデビューした後のこと。デビュー前の「革ジャン・リーゼント」スタイルのビートルズのメンバーの写真を見たことのある人なら、ロカビリーからの影響はサウンド面のみならずそのスタイルまでに及んでいたことは一目瞭然ですね。
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