『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』公式サイト
「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」
「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」は、2016年9月に劇場公開されたビートルズのドキュメンタリー映画です。少し前にはNNKBSプレミアムでも放送されていたのでそれをご覧になった方も多いのではないかと思います。
まだご覧になっていない方もいらっしゃると思うので過度なネタバレはしませんが、この「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」はサブタイトルに「THE TOURING YEARS」とあるように、ビートルズのコンサート・ツアー(今でいうライブ・ツアーかな?)が映像の中心となっています。基本的にはデビュー前後1963~1966年までの映像ですが、「ルーフトップ・コンサート「」と呼ばれているアップル(現在はアップル・コア社)自社ビルの屋上での事実上ビートルズの最後の歴史的なライヴ・パフォーマンスの映像も観ることができます。
基本的に、デビュー前後1963~1966年までのコンサート・ツアー映像が主ですが、デビュー前後のハンブルグ巡業や熱狂するファン達、有名なジョンの「ビートルズはキリストより有名」発言にも触れられているので、ビートルズ初心者の方でも楽しめる(1963~1966年ぐらいまでの年代別の大まかな流れを知ることができる)内容になっていると思います。
今回の個人的な楽しみはメンバーの使用楽器
今回は久しぶりにNHKBSプレミアムで以前録画しておいた映画を観てみました。以前はこの映画全体を楽しみましたが、今回のこの映画の個人的な一番の楽しみはビートルズのメンバーがコンサートで使用している楽器でした。
インターネットが普及した現在は、ちょっと検索すればビートルズの画像も映像も音楽に触れることが可能ですが、30年以上前は珍しい画像(写真)が見たければ銀座の洋書店、珍しい音源なら西新宿のブートレグ(いわゆる海賊版)を探すぐらいしか手段がありませんでした。でも今は当時ならビックリ仰天満載のビートルズの映像の集合体ともいえる「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」がテレビで観れるのですからいい時代だなあ・・・と思います。
昔はモノクロ(白黒)写真や映像がほとんど(特に60年代前半)で、ジョンのリッケンバッカーのボディカラー(白とか黒とか)や、ピックガードの色(白とかゴールドとか)本や記事の内容からだけではっきりとわかりませんでしたが、この映画なら確認できます。ジョージのグレッチ(カントリージェントルマン)のいわゆる「エフホール(サウンドホール)」がダミーということも映像から確認できます。ただカントリージェントルマンに関してはそれ以前に楽器店でも同じ種類の楽器を見ることでわかりましたが。
VOXなどのアンプ類もカラーで見るとまた個人的には感動モノでした。もう50年以上前のアンプなのでなかなか現物にはお目にかかれませんから、やはり貴重な映像だと思います。
ポールの「オール・マイ・ラヴィング」でのポジション
ギターやベースを弾いた経験がある方なら知っているかもしれませんが、たとえ楽譜が読めなくても「タブ譜面(TAB譜)」という、指板のどこを抑えればいいかがわかる譜面があって、私も高校生ぐらいのときだったかビートルズのいわゆる教則本みたいな本を買ってそれを参考にしてギターやベースを弾いていたのですが、最近の教則本はわからないのですが、当時の本は結構いい加減というか、「音」は間違っていなくても「ポジション(弦を抑える指板の場所)」が不自然と感じる点が多々ありました。
「オール・マイ・ラヴィング」でのポジションのそのうちのひとつで、ネックの中央~低音側(ヘッド側)あたりのランニング・ベース(4・3 弦)と指示されていたのですが、この曲ってポールがメイン・ボーカルなのに、つまり歌いながらベースを弾くのにこんなにポジション動いて弾いているのかちょっと疑問でした。コーラス程度なら問題ないでしょうが・・・。
今回この「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」で確認したところ、案の定ヘッド側の4~1弦付近を中心に上手くまとめてプレイしていたので、「やっぱりね・・・」と思いました。
ポールのヘフナー・ベース(いわゆるバイオリン・ベース)は、ホロー・ボディで、弦のスケール(長さ)も762mmと短く(一般的なフェンダー・ジャズ・ベースは864mm)、やっぱり「ライブ演奏」はやりやすかったんじゃないかと思います(軽いしネックが短いから弾きながらでも歌いやすい)。もちろん、ポールのがヘフナー・ベースを選んだ理由はそれだけではないみたいですが(当時、手に入れやすい価格だったというインタビュー記事があったような・・・)。
音(特に低音)に関してはポールが後に手にするリッケンバッカー・ベースやジャズ・ベースに比べるとやや頼りない印象がありますが、この「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」を観ればわかるようにファン達は誰も演奏なんて誰も聴いていない感じだし、実際問題当時のPA(音響システム)ではビートルズのメンバー達ですら、まともに音が聴こえない状況だったと思うので、まあそれはそれで問題なかったんじゃないかな?って思います。
ビートルズのバンドとしての凄さがわかる映画
この「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」を観ると、ビートルズのバンドとしての凄さがわかります。ファンが絶叫しているコンサートホールでの演奏はもとより、シェイ・スタジアム(大昔、日本ではシェア・スタジアムと呼ばれていた)などの野球場などの大きな会場での演奏、日本公演なら日本武道館・・・バンド経験のある方ならわかると思いますが、アンプも明らかにパワー不足、ろくなPAもなかった時代、さらにファンの歓声・・・はっきりいって自分たちの歌う声も演奏している楽器の音もステージではほとんど聞こえていなかったのではないかと想像できます。聞こえるのはただ「ボワーっ」とした音だけで。
そんな困難な酷い環境の中でも息の合った演奏を聴かせるビートルズはやはり凄いな・・・って思います。デビュー前の過酷な演奏漬けともいえるハンブルグ巡業で鍛えられたのかな(リンゴは途中から加入だけど、すでに他のバンドで経験を積んでいたし)?
この映画では、ビートルズがコンサート活動を中止するにいたる経過(当時のコメント)などもわかるので、その辺りではちょっと切なくなります。まあでもコンサート活動を中止してアルバム作りに専念できたからこそ、その後のロック史上に残る歴史的な名盤が生まれたともいえるので、コンサート活動の中止の「良し悪し」はわからないですけど。
久しぶりにビートルズの・・・まとめ
この記事では、久しぶりにビートルズのドキュメンタリー映画「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」を観たまったく個人的な感想を主に使用楽器やバンドの凄さなどについて思いつくまま書いてみました。ですので、特に内容がある記事でない点はご容赦ください。
このビートルズのドキュメンタリー映画「EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARS」はビートルズ初心者の方でもコアなファンの方でも楽しめる内容(ビートルズの1963~1966年ぐらいのことなら)になっていると思います。まだ観ていないという方でビートルズに興味のある方なら観て損はないと思いますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
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