フェンダー・ジャズ・ベース

ビートルズ時代、バイオリン・ベース以外にポールが手にしたベース「フェンダー・ジャズ・ベース」

 
ビートルズ時代のポールがプレイしたベースといえば、まず第一にカールヘフナー・ベース(いわゆるバイオリンベース)を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、カールヘフナー・ベース以外にもポールがビートルズ時代使用したベースが2本ありました(私の知る限りで!)。

この記事ではそのうちの1本、「フェンダー・ジャズ・ベース」について少し書いてみたいと思います。

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フェンダー・ジャズ・ベース

フェンダー・ジャズ・ベースは、プレシジョン・ベースに次いで1960年にフェンダー社から発売されたエレクトリック・ベースで、プレシジョン・ベースと並びエレクトリック・ベースの代表機種と言っても過言ではない楽器です。

フェンダー・ジャズ・ベースの特徴

フェンダー・ジャズ・ベースの主な特徴は、最も基本的なモデルではソリッドタイプのボディに2つのシングル・コイルピック・アップ(フロント・リア)、コントロール部分は2つのボリューム・ノブと1つのトーン・ノブ。ボリューム・ノブはそれぞれフロント・リアに対応していて、1つのトーン・ノブで全体(フロント・リア)のトーンを調整できます。

ソリッド・ボディの材質は基本的には「アルダー」という木材で、他にも「アルダー」という木材が使用されているタイプもあります。ボディ・スタイルは、フェンダー社のエレクトリック・ギターである「ジャズ・マスター」の影響を受けていると言われていて、演奏者の身体にフィットするような形状になっています。

ネック部分はデタッチャブル式の4点止めが基本ですが、一時期3点止めの時期がありました。材質は「メイプル」のワンピース・ネックに指板部分は「ローズ・ウッド」か「メイプル」が基本的なモデルです。

ジャズ・ベースの音質は、シングル・コイル・ピック・アップ1つに1ボリューム・1トーンのコントロールを搭載している同社のプレシジョン・ベースと比較すると、より多彩なサウンド作りが可能になり、コシと深みのある中低音から、ミドル域をカットして低音と高音を強調する「チョッパー奏法」もOKというオールマイティなエレクトリック・ベースと言えるでしょう。

ポールが入手したフェンダー・ジャズ・ベースは2本?

ポールが入手したフェンダー・ジャズ・ベースは、右利き用と左利き用をそれぞれ1本ずつの合計2本入手していたと思われますが、私が知っている範囲では右利き用のモノを左用に張りかえてプレイしている印象が強いです。残っている写真などを見るとヘッドのペグ(糸巻部分)が下を向いていてボディのピック・ガードも逆、通常なら下側にあるはずのコントロールパネルも上側にあるので、それで確認できます。

ポールがジャズ・ベースを入手した時期は、おそらく1968年頃と思われます。残っている写真ではネック指板部分はローズ・ウッドでポジション・マークはドットではなく長方形のブロックなので、1966年以降に販売されたモデルだと思われます(ポールのためにフェンダーが提供した試作品のようなモデルでなければ)。

ポールはジャズ・ベースをどの曲、どのアルバムでプレイしてたのか?

ポールがジャズ・ベースをどの曲でプレイしていたのかは定かではありません(私の知っている範囲で)。ただ、ポールがジャズ・ベースをおそらく入手したであろう時期(1968年頃)から考えると、どの曲かとは断言できませんが、アルバムでは「アビー・ロード」が最有力ではないかと思います。カール・ヘフナー(いわゆるバイオリン・ベース)は別として、「マジカル・ミステリー・ツアー」や「ホワイト。アルバム」ではどちらかと言えばリッケンバッカーの4001の印象が強いですし「レット・イット・ビー」では映画でもヘフナーを弾いているし・・・。

昔(大昔?)まだ私が学生の頃アルバム「アビー・ロード」を聴いているときに「あれ?これジャズべの音じゃない?」と思ったことがありました。私自身がアマチュア・バンドでベースを担当していてジャズ・ベースを弾いていたのでジャズ・ベースの音はわかりました。ただ、当時の私はポールがビートルズ時代に弾いていたベースはカール・ヘフナー・ベースとリッケンバッカー4001しか知らなかったのでとても「不思議」に感じた思い出があります。

この頃のビートルズは主にスタジオ・ワークだけだったので、どの曲かという確信まではありません。でも「アビー・ロード」のベース音を意識的に聴いていると、ヘフナーやリッケンバッカーにないジャズ・ベース特有の倍音を含んだ伸びのある中低音のベース音が、わかる人にはわかると思うので、機会があったらぜひ意識して聴いてみてください。

 

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