「LET IT BE(レット・イット・ビー)」は、ビートルズ12枚目にして最後のアルバムです。1970年5月に劇場公開のビートルズのドキュメンタリー映画「レット・イット・ビー」とタイミングを合わせてリリースされました。
本来、このアルバムは、ポールの「もう一度、原点にゲット・バックしよう」というコンセプトで、製作がはじまったことで、原点回帰のライブ感のあるバンド・サウンドで仕上がっていたのですが、ご存知フィル・スペクターのプロデュースによって、オーケストレーションやコーラスを加えたサウンドの形で発表されています。全英チャート8週連続1位、全米チャート4週連続1位に輝いています。
※1970年5月発売
『レット・イット・ビー』収録曲
- Tow Of Us
(トゥ・オブ・アス) - Dig A Pony
(ディグ・ア・ポニー) - Across The Universe
(アクロス・ザ・ユニバース) - I Me Mine
(アイ・ミー・マイン) - Dig It
(ディグ・イット) - Let It Be
(レット・イット・ビー) - Maggie Mae
(マギー・メイ) - I’ve Got A Feeling
(アイヴ・ガッタ・フィーリング) - One After 909
(ワン・アフター・909) - The Long And Winding Road
(ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード) - For You Blue
(フォー・ユー・ブルー) - Get Back
(ゲット・バック)
作詞・作曲
- (Lennon-McCartney) 1.2.3.6.8.9.10.12
- (Harrison) 4.11
- (Lennon-McCartney-Harrison-Starkey) 5
- (Trad.arr.Lennon-McCartney-Harrison-Starkey) 7
アルバム内シングルリリース曲
・【A面】ゲット・バック【B面】(ドント・レット・ミー・ダウン)
・【A面】レット・イット・ビー
【B面】(ユー・ノウ・マイ・ネーム)
※解散(1970年)までにイギリス本国で発表したシングル
ビートルズ豆知識
ポールが発した、「もう一度バンド・サウンドを取り戻そう」と原点回帰を目指したいわゆる「ゲット・バック・セッション」を、フィル・スペクターがプロデュースしてリリースされたのがアルバム「LET IT BE(レット・イット・ビー)」。
映画を観た方ならわかると思いますが、ポールがメンバーをまとめようと仕切ろうとして、それが空回り、裏目に出てしまい・・・「ゲット・バック・セッション」を、ジョンは「地獄」、ジョージは「史上最悪」、そしてリンゴは「悪夢」と回想しています。
「ゲット・バック・セッション」のクオリティーでそのままアルバムを発表するのに不安を感じたのか、ジョンはフィル・スペクターに、「LET IT BE(レット・イット・ビー)」となるアルバムのプロデュースを依頼します。(※当初、アルバム名ははゲット・バックだったといわれています。)
ジョンは「どうしようもないセッションを上手くまとめてくれた」と、フィルに対して、賛辞を贈っています。
一方、ポールは、「レット・イット・ビー」や「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」のフィルの過剰なアレンジがやはり気に入らなかったようで・・・。
なお、2003年に、1969年のセッションから、フィル・スペクターの監修(オーヴァーダビング)抜きのアルバム「LET IT BE…NAKED(レット・イット・ビー・・・ネイキッド)」が発売されています。(※セッションの別テイクやリミックス含む)。
推測ですが、ポールが目指したかったサウンドはこの「LET IT BE…NAKED(レット・イット・ビー・・・ネイキッド)」のほうだったのかもしれません。
まだ、一方のアルバムしか聴いていないというビートルズファンの方は、機会があれば、この両アルバムを聴き比べてみるといいのではないかと思います。
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