この記事では現在でも多大な影響を及ぼす偉大なグループ「ビートルズ」の6枚目シングル発売~初主演映画「ハード・デイズ・ナイト」劇場公開、並びに7枚目のシングル、サード・アルバムリリースぐらいまでの流れを大まかに書いています。
米国から英国へ帰国後
米国での成功を収めたビートルズは、初主演映画の撮影が始まる予定になっていました。また、レコード会社との契約が3ケ月ごとにシングル1枚、1年にアルバム2枚を出すということになっていたので、次のシングル曲を急ぎでレコーディングしなければなりませんでした。
映画撮影とレコーディングという過密スケジュールの中、ジョンとポールは6枚目のシングルとなる「キャント・バイ・ミー・ラヴ/ユー・キャント・ドゥ・ザット」(1964年3月20日リリース)を作りました。この6枚目シングルは全英・全米チャート共に1位を記録します。
主演映画のサウンドトラック・アルバム
6枚目シングルをレコーディング&リリースした頃、主演映画のサウンドトラックという位置付けのアルバムのレコーディングも行われていましたが、ビートルズはレコード会社とEP(4曲の現在でいうところのマキシ・シングル的なもの)をリリースする契約も結んでいたので、EP用の曲のレコーディングも行いました。
収録曲は、「ロング・トール・サリー」「アイ・コール・ユア・ネーム」「スロウ・ダウン」「マッチボックス」の4曲
初主演映画撮影開始
ビートルズの初主演映画は、タイトなスケジュールをこなすビートルズのメンバーの日常を一見パロディ風に面白おかしくファンに見せようとするドキュメンタリー・タッチの映画でした。
この映画の主役はいつもバンド後方でドラムをプレイしているリンゴ・スターに決定し、リンゴを主役にすることで、バンドでは作詞・作曲を手掛けいつも前方にいるフロント・マン的なジョンとポール、そしてジョージとのバランス(メンバー4人を均等に紹介する)をとる形で制作されています。
映画によってメンバーのパーソナリティが生まれる
この映画によって、ビートルズのメンバーそれぞれの素顔とは別のパーソナリティも生まれました。リーダ格でシニカルなジョン、一見軟派風だが真面目なポール、お洒落な感じで寡黙なジョージ、茶目っ気のあるリンゴ…という具合に。
当初、映画のタイトルはまだ決まっていなかった
映画の撮影と並行して映画のタイトル・ソングとなる曲のレコーディングも行われることになるのですが、ただ当初はまだ映画のタイトルが決まっていませんでした。
映画のタイトルは、ある1日の撮影を終えたあとにリンゴが「ハードな1日だった(It’s been a hard day)」と言ったのに続けて外が暗くなっている(夜)に気づき「…の夜だなあ(’s night)」と付け加えて言った言葉をそれを聞いていたジョンが気に入り、映画のタイトルが「ハード・デイズ・ナイト」に決まったと言われています。
ジョンとポールはこのリンゴの言葉をタイトルにした新曲を書きあげます。
映画劇場公開・サード・アルバム・7枚目のシングルリリース
映画「ハード・デイズ・ナイト」(A HARD DAY’S NIGHT)の劇場公開(1964年7月)に合わせ、同タイトルのサード・アルバム、そして7枚目シングルとなる「ハード・デイズ・ナイト/今日の誓い」もリリース(1964年7月10日)されました。
サード・アルバム「ハード・デイズ・ナイト」
タイトル・ソング「ハード・デイズ・ナイト」のイントロ(出だし一発目)で有名なジョージのリッケンバッカー360-12(12弦ギター)の煌びやかなサウンドが全編で聴けるビートルズのサード・アルバム「ハード・デイズ・ナイト」。
英国盤「A HARD DAY’S NIGHT」に収録された13曲は、昔でいうLPレコードのA面に映画で聴ける7曲、B面にそれ以外の曲6曲という風に収録されていました。
また、意外に思う方も多いかと思いますがこのアルバムは全曲が「レノン=マッカートニー」のクレジットとなっているビートルズ唯一のアルバムです。
アルバム・シングル共に全英・全米チャート1位に輝く
1964年7月10日にリリースされたサード・アルバム「ハード・デイズ・ナイト」は、全英チャートで21週1位を記録。米国では映画のサウンド・トラックということで、ユナイテッド・アーティスツから収録曲を代えてリリースされ全米チャートで14週連続1位に輝いています。
7枚目のシングルとしてリリースされた「ハード・デイズ・ナイト/今日の誓い」も当然のように英国・米国チャート共に1位を記録しました。
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